編み物の日常、編み物と日常。

編み物にまつわること、そして日常のこと。

ずっと宝物の編み物の本。

編み物と糸紡ぎを始めて間もない頃の話です。原毛を扱っているお店が手芸関係の洋書も扱っていて、そこで出会ったのが Alice Starmore の The Celtic Collection という本。とにかく写真が美しい。日本の編み物の本ではこういうものを見かけたことがなかったのです。どの写真も一枚一枚に雰囲気があり外国の地へ想いをはせずにいられない、写真集のようです。私は英語はほとんどうまく読めないけれど、写真とその作品の美しさに夢中になりました。アランセーターの力強い縄編みや、驚くほど美しい色使いの編み込み。編み物を本当にやりたいと思ったのは間違いなくこの本のおかげです。

けれどもちろんその頃は初心者。洋書での編み方もわからないし、まだまだ編み物自体のいろいろを分かってはいませんでした。だから実際にそこに載っているものを編むわけではなく見て楽しむばかり。ずっとずっと、憧れの本。今でも、開くと胸が一杯になります。この本に出会った時の感動や、その頃の自分のことを思い出すのでなおさらです。

そして最近、長くかかっていたショールが編み上がってふと、次はセーターを、この方の Aran Knitting という本の中でいいなと思っていた模様のものを編んでみようと思い立ち、糸を決めゲージを取り・・。ただ、本に載っているデザインそのままよりも、もう少し今の自分に合うようにアレンジしよう、と当たり前に思った時に、「あ、この方の本に出会った頃はそんなことが自由にできるほど編み物ができる自分になっているなんて、思いもしてなかった。」と気が付いたのです。

普段から時間の使い方が下手で、おまけに"頑張る"ということも苦手でできず、若い頃から何一つ成長していないと落ち込むことばかりでいたけれど、何も一つもできていなかったわけではないと思ってもいいのかなと、そう思えたのです。

さて、最近思い描いている近い将来の目標は、そんな想い(思い入れ?)を持って、アイルランドと、そしてスコットランドの島々へ、編み物と音楽の旅へ出ることです。

(詳しくはないのですが、Aliceさんはスコットランドのヘブリディーズ諸島に住んでいらっしゃるようで、ご自身が写真家でもあるので、きっと作品を写している美しい風景はそういう島々での撮影だろうと思っています・・間違っていたらごめんなさい。最近もずっと、インスタグラムに美しい風景の中で写している作品の写真をアップしてくれています→ @virtual_yarns  ですが私はやはりなんといっても本がお勧め!)