編み物の日常、編み物と日常。

編み物にまつわること、そして日常のこと。

羊の原毛を触る日々。

最近は糸紡ぎのために、カードかけばかりをやっています。先日編み上げた(また後日それについても書こうと思います)アランセーターが気に入って、この勢いでもう1着違う模様で編みたいと思ったのですが、着分揃った糸がないので、それならば買わずに紡ごうと思ったのです。なんせ、原毛はたくさんあるのです。中途半端な量のものをあれこれ混ぜて毛糸にしようじゃないかと思い、今ひたすらカードをかける(混ぜる)作業。まだまだ時間がかかりそうですが、少しづつ進めていきます。

写真は、以前レース用に紡いだもの。染めていない、羊が持って生まれた色。

ブリオッシュ編み。

ブリオッシュ編みで有名な、ナンシー・マーチャントさんの本に乗っている模様を使わせてもらって編んだショールです。大判好きな私は、これもやっぱり大判で、途中例に漏れず進まなくなった時期もありましたが、ちゃんと完成させることができたもの。2〜3年前だったでしょうか。

ブリオッシュ編みは色の組み合わせを考えるのが楽しくて難しい。・・いや、ブリオッシュ編みに限らず多色を使うものはどれもそうですね。バッチリ好みの色が決まるととても嬉しい。そして、これは裏も模様が表とは逆の色で出るので楽しい。

 

ゴム編みなので、編み地に厚みがあって伸びがいいです。

写真を見返したり本を見たりしていると、いろんな色の組み合わせで他のものも編みたくなります。

教会に咲く花。

いつの季節だったか忘れてしまいましたが、とある教会の花壇に咲いてた花。ここの教会はいつ行っても何か温かい空気が流れていて大好きです。宗教問わず、いつでも人を暖かく迎え入れてくれるような雰囲気。花壇も華美ではなく落ち着いていて、心ある人が手入れしているのであろうことが伝わってくるのです。

糸を紡いで編んだカーディガン。

紡いでいる最中、糸車のボビンに巻かれている状態

なんともう気が付いたら3年も前の話なのですが、インスタグラムで見かけて「編みたい!」と思ったカーディガンがあり、編み物のコミュニティサイト、ラベリーでパターンを買いました。

なかなかこれで編もうと思う糸が決まらず、ならば好みの色のものを紡いで編もうと、染色された原毛を何色も買い(私は染めは苦手なので・・)、色のブレンドから始めたカーディガン作り。ベースの色を決めて少しづつ違う色を3色ほど足してカードをかけた状態が下の写真。どんなのがいいかなと4種類やってみた中で決めた色です。下のふわふわの写真では黄色味が強いけれど、実際は緑が強いです。写真の順番は前後しますがそれを紡いでいるのが上の写真、この単糸を3本撚りにして使いました。

色のブレンドの割合を決めて混ぜ、ふわふわになったところ

 

単糸3本を合わせて一本の毛糸に。

そして編み上げたのが下の写真。仕上がってからというもの、出かける時も家の中でも、こればかり着ています。このデザイナー Rukeさんのニットは、太い糸を使ってザクザクと、ほとんど長方形を編んで合わせるデザインが多いようです。難しい編み方はほとんどないのにデザインがカッコ良くてシンプルなので私は大好きです。パターン(編み方の説明)に図で長方形のそれぞれの辺の長さが記されてあるので、指定の糸を使わなくても自分が使いたい糸での自分のゲージで簡単に計算し直すことができます。なので好きな糸で楽しみやすいなと思っています。また他のデザインのものも編みたいな。幾つも気に入っているのがあるのです。

 " Forest hooded cardigan "  designed by Neringa Ruke 

 

 

ずっと宝物の編み物の本。

編み物と糸紡ぎを始めて間もない頃の話です。原毛を扱っているお店が手芸関係の洋書も扱っていて、そこで出会ったのが Alice Starmore の The Celtic Collection という本。とにかく写真が美しい。日本の編み物の本ではこういうものを見かけたことがなかったのです。どの写真も一枚一枚に雰囲気があり外国の地へ想いをはせずにいられない、写真集のようです。私は英語はほとんどうまく読めないけれど、写真とその作品の美しさに夢中になりました。アランセーターの力強い縄編みや、驚くほど美しい色使いの編み込み。編み物を本当にやりたいと思ったのは間違いなくこの本のおかげです。

けれどもちろんその頃は初心者。洋書での編み方もわからないし、まだまだ編み物自体のいろいろを分かってはいませんでした。だから実際にそこに載っているものを編むわけではなく見て楽しむばかり。ずっとずっと、憧れの本。今でも、開くと胸が一杯になります。この本に出会った時の感動や、その頃の自分のことを思い出すのでなおさらです。

そして最近、長くかかっていたショールが編み上がってふと、次はセーターを、この方の Aran Knitting という本の中でいいなと思っていた模様のものを編んでみようと思い立ち、糸を決めゲージを取り・・。ただ、本に載っているデザインそのままよりも、もう少し今の自分に合うようにアレンジしよう、と当たり前に思った時に、「あ、この方の本に出会った頃はそんなことが自由にできるほど編み物ができる自分になっているなんて、思いもしてなかった。」と気が付いたのです。

普段から時間の使い方が下手で、おまけに"頑張る"ということも苦手でできず、若い頃から何一つ成長していないと落ち込むことばかりでいたけれど、何も一つもできていなかったわけではないと思ってもいいのかなと、そう思えたのです。

さて、最近思い描いている近い将来の目標は、そんな想い(思い入れ?)を持って、アイルランドと、そしてスコットランドの島々へ、編み物と音楽の旅へ出ることです。

(詳しくはないのですが、Aliceさんはスコットランドのヘブリディーズ諸島に住んでいらっしゃるようで、ご自身が写真家でもあるので、きっと作品を写している美しい風景はそういう島々での撮影だろうと思っています・・間違っていたらごめんなさい。最近もずっと、インスタグラムに美しい風景の中で写している作品の写真をアップしてくれています→ @virtual_yarns  ですが私はやはりなんといっても本がお勧め!)